U

 
夕焼けが一つ枝から落ちて
何かの終わりへ滑空する
 
去年の夏
白い窓辺に置いてきたジュースの缶と
おんなじ色をした君のワンピース
そのひらひらした裾は
僕の知らないやつだね
 
時計の針を5分進めてみたり
新しいスニーカーを買ってみたり
林檎を切らずに齧ってみたり
思いつくことは試したけれど
ふたりで見たひこうき雲は
やっぱり戻ってこなかった
 
だからせめて
 
少しだけ、伏せられたまつ毛
濡れてるのには気づかないふり、するよ

青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

0コメント

  • 1000 / 1000