スープ

水音

水音

あらしに溶けて

赤色はすでに行方知れず

躰をつつむ輪郭は疾うに

慈悲の無い多数決に食い破られた

液状のわたし

これ以上薄まらないように、せめて

乾いたうたごえで象をなぞる

どうか最後に願わくば

明日の夕食の皿の数が

今日よりも多くなりますように

具の無いスープが

あなたの飢えを

満たしてくれるかは、わからないけど

青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

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