春鳴

螺旋状の薄青の下に


古い雑誌の切り抜きの中を、私は確かに歩いていて
寂寥が跡をつけてこないことを、少なからず不思議に思っている
午前五時四十五分
ここもまた、地球の胸元であり
猫は にゃあ と喋る
少し突っ張った皮膚がまだ服の裾を掴むけれど
髪は切ったから、進める

進める筈だ


パスタを茹で過ぎたのは
鶯が鳴くからだった


青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

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