錯視



Q.林檎の中には何がありますか?




「水かな」
「ジュースよ」
「甘いね」
「そりゃ種でしょ」
「黄色いよね」
「俺のは白い」
「剥いてあるやつ?切ってあるやつ?」
「まず"中"の定義を決めよう。そもそも"内側"とは"仕切り"が存在するという前提のも「林檎ってなに?」
「生命の内部は神秘、つまり宇宙なのさ」
「林檎に中身があるなんて誰が言ったの?」
「あいつの話はやめてくれ、反吐が出る」
「すごく好きだよ!」
「あの人を思い出すわ…」
「爆弾だよ」
「そんなこと訊くなんて変わってるね」
「えっ…(果肉だろ?)」
「wwww」
「それを考えるのがアンタの仕事だろうが!」
「私、梨派なんだよねぇ」
「そんなことより手は洗ったの?」
「…」
「ねえ、キスしてよ」
「なんの話だっけ…そうそう、林檎だった」





A.それらが球であることは、同様に確からしい。




青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

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