蝉時雨

蝉時雨は

滲んだ色になり、草いきれを

胃の底に沈めた灰色が

掻き混ぜて

喉元に突きつけられた夏、に

首輪を千切られた

死にたい日と、生きたい日が、

わたしの右と左の足首を同時に引っ張り

裂けた股のあいだから

詩が流れて

空は、今日は青にみえる




青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

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