ガラス

 
 
肺を満たす魚の群れ
煮詰まって
喘鳴に青を混ぜる
「     」
左目に地球
手を伸ばせば虚
白いイヤリング
靴音に斜陽
境界を削る爪先が
化け物じみた悲鳴をあげるのを
知らずに肩の上を跳ねる
その黒髪の、なんとあどけないことか
「            」
ああ
細く空いたたった一つのそれに
ただ、緋い花をさす

青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

0コメント

  • 1000 / 1000