向日葵

アスファルトを圧迫していた空が、遠くへ逃げていく
10代の哲学で日焼けした頰
夕立に噛み付く町内放送
運動会の匂いが汗ばんだ額を擦って
黄昏の向こうに目を凝らす

靭くあるには幼すぎ
明日を語るには知りすぎていた時間は
素直さも勇敢も不平等に切り分けられて
傷だらけの手で、枯れかけの向日葵を握って

遠くで汽笛が鳴る

窓枠を埋め尽くす竜の腹から
星座が転がり出て、海へ落ちた
悲鳴はあまりに歓声に似ていて

思わず

未来をいくつか、口ずさんだ

青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

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