きみへ

なあ、ちょいとその台からおりて
おいらの話をきいとくれよ
どうせやるならたった何分か
あとになったって変わりゃしないだろ

きいてほしいのはじまん話
こないだ大人になったおいらのね
大人ってなんでもできるぜ
夜どおし外できれいな三日月をながめてもいい
好きな本やマンガはいくらでも買える
晩ごはんがおかしだけでも怒られない
いけすかないやつとトイレに行かなくてもいい
ママのハンコやセンセイのつきそいが無くっても
その気になりゃ南の島へだってひとっとび
わざわざこわくていたい思いをしなくても
天国を見にいけるのさ

そんなのムリだっていうやつがいるだろう
一緒にムリだと思ってやらなくていい
そんなのウソだっていうやつがいるだろう
きみにとっちゃホントになるかもしれない
鉄のくさりも首わもない
上も下も前も後ろもない
地球はまるくて
世界は区切られていない
人も人生も360度にちらばっていて
どこへだっていけるのさ

さて
おいらのじまん話はここまで
いつか世界のまんなかで
きみに会うのをまってるよ

大人になったきみに

青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

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