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昨日脱いだ皮膚がキッチンに転がっている


鍋の中の午前3時

食べ散らかされた着信履歴

野菜室に山積みの爆弾

皿の上の林檎だけが息をしている


重いウォルナットの椅子の下

割れたポットで飾られた白い床

転がるフォークの先に


煮崩れたわたし、ひとかけら


水を加えて

捏ねて

焼いたら

もとどおりになるかしら


「今度のメニューはどうしましょう」

「焦がさなけりゃどうにでも」



青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

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