雨乞い

夏に向かう夜に指先を浸す

無音を攪拌する常夜灯

地響きの下に最果て

(躓いて、)

やすらぎは思い出の中にしかないと、

信じていないと死んでしまうので、

「声を、ちゃんと聞いててね」

「いまから帰るよ」

知っている

知っている

こんな日は、そんなふうに泣くこと

灰色が眉間を擽って

鸛は海へ

…いまでも

心室のうちがわを弱々しく叩く

その音が

青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

0コメント

  • 1000 / 1000