つめたいものに色がついて
よるの縁にぶつかって跳ねかえる


と鳴いて右心房へ
臍の下をつたって、ほころんで
(ああ、)
(なんていったっけ、)
(あのとき、)

ほほに含んだ午後六時
ひだりて
彷徨って、戻して
少女
聞いたことのある言葉で
知らない歌を歌う

ウヰスキーに

くすり指を浸して

「芳」

すれ違った肌のあいだ

挟んでかくした、

うすい、うすい、吐息は


泣き声だったのか
否か


恋だったのか
否か


青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

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