オムレツ

フローリングの床に映り込む女

街は雨

ゴミ箱の底、ガス料金の通知ハガキが

じ、と



…何に泣きたいのだろう



シンクに放置されたスプーンの、曇った背が

ひどくおそろしい

脈拍、と  んで

空転する糸車

薄皮につつまれたわたくしの足先が

夜の凝ったところに置き去りにされて

取りに行けず


白い、の裏をそれはわかっていた

わからぬ、ということが赦しであることも

焼いた卵を食んだ唇をなめる

歯の裏に、



青と檸檬

入透のブログ型詩集です。

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